乳児湿疹とは？赤ちゃんのお肌のブツブツの原因とその対処法

　赤ちゃんのお肌は、とてももちもち、ぷるぷるできれいなイメージを持つ方が多いと思います。
　しかし、実際に出産し、子育てをしていくと、産後まもなくからブツブツがお肌にできたり、肌トラブルが多くあることに驚いたり、不安になった方も多くいらっしゃるのではないでしょうか？
　乳児湿疹の多くは、一過性のもので、正しくスキンケアを行えば自然に治ることが多いのです。今回は、赤ちゃんの肌トラブルである湿疹の原因と予防・対処法、病院受診の目安についてお伝えします。

乳児湿疹とは

　乳児湿疹とは、赤ちゃんの肌トラブルの総称です。早くて生後1・2週間くらいから見られることも多いです。
　湿疹は、赤いポツポツしたもの、黄色いかさぶたやフケのようなもので覆われているもの、膿の流出があるものなどさまざまな形状があります。
　食べ物や繊維の刺激に触れやすい、口の周り・顎の周りを中心とした顔面をはじめ、皮脂の分泌が盛んな頭部、蒸れて汗がたまりやすい首回り、手首、足首などにもできます。

乳児湿疹になる原因とは

　乳児湿疹は症状が様々で、月齢によっても状態が異なります。にきびのようなものから、かさぶたのようなものまで、様々な症状が現れます。その原因は、次のような３つが考えられています。

ママの女性ホルモンの影響

　皮脂が過剰に分泌されているのが１つの原因です。生まれたばかりの赤ちゃんは、ママから受け継いだホルモンの影響によって、皮脂の分泌が盛んに行われる時期です。
　そのため、余分な皮脂が毛穴に詰まってしまう可能性が高くなり、炎症を起こしやすくなります。

乾燥している

　生後2〜4ヶ月ごろになると、ママから受け継いだホルモンの働きが弱くなり、皮脂の分泌は少なくなります。
　しかし、その後はお肌が乾燥しやすくなります。
　赤ちゃんの肌は、大人の肌よりも薄く、うるおいを守ってくれるバリア機能も十分に発達していません。そのため、肌トラブルを起こしやすくなります。

汗による影響

　赤ちゃんの肌には、既に大人と同じ数の汗腺があります。そのため、新陳代謝が高く、とても汗をかきやすい状態です。
　かいてしまった汗をそのままにし、清潔に保てていないと、炎症を起こす原因となってしまいます。

乳児湿疹の種類

　乳児湿疹は主に生後1週間〜1ヶ月頃から見られる症状となります。種類によってできやすい時期が異なります。それでは、どんなものがあるか見ていきましょう。

新生児ニキビ

　新生児ニキビとは新生児挫創（しんせいじざそう）と言われ、顔の毛穴に赤いポツポツとしたニキビができるのが特徴です。新生児ニキビは、生後1週間〜1ヶ月頃にできやすく、皮脂の過剰な分泌が主な原因で起こります。

乳児脂漏性皮膚炎（しろうせいひふえん）

　生後3か月ごろまでに現れる、赤いぶつぶつや黄色いかさぶた、皮脂のかたまりなどが、皮脂分泌が多い頭部・顔・耳周辺・わきの下・首周辺にできることが多いです。
　生まれたばかりの赤ちゃんは皮脂の分泌が盛んなため、湿疹ができやすくなっています。特に、生後1〜2ヶ月頃になりやすいと言われています。脂漏性湿疹の原因も皮脂の過剰な分泌があげられます。

新生児中毒性紅斑(しんせいじちゅうどくせいこうはん)

　生後1～3日の新生児の赤ちゃんによく見られます。胸や背中、顔に赤い斑点やブツブツができる皮膚トラブルです。胎内環境から胎外環境への急激な変化に適応する過程で起きる、生理的な変化だと考えられています。数日〜数週間以内に自然に治ることがほとんどです。

あせも

　あせもは肌が赤くなったり、かゆくなったりするという特徴があります。汗のかきやすい夏などの時期に起こりやすいですが、冬場でも暖房や着せすぎにより汗をかくことがあります。汗を拭くことはもちろんですが、こまめに着替えをすることが大切です。

デリケートな赤ちゃんのお肌を守る方法

　乳児湿疹を予防したり、症状をよくするには、適切なスキンケアを行うことが大切です。そうすることで、自然に改善していくことがほとんどです。
　基本的なスキンケアは「洗浄」と「保湿」です。毎日しっかり行いましょう。

お肌を清潔にする洗浄

　清潔に保つ洗い方のポイントは、《お肌を刺激せずに汚れを取る》ことです。
　赤ちゃんには、泡タイプの洗浄剤を使用し、手で優しく洗ってあげましょう。ガーゼやスポンジでゴシゴシこすらないようにし、摩擦を与えないようにしましょう。
　必要な皮脂まで洗い流してしまわないように、洗いすぎないように気を付けましょう。
首のしわ、腕や足の付け根や関節など、お肉が重なって洗いにくいところも、丁寧に洗ってあげましょう。
　洗浄剤は、殺菌成分の入ったもの、薬用せっけん、においの強いタイプのものは刺激が強いので、避けましょう。

お肌に潤いを与えて守る保湿

　赤ちゃんのお肌を清潔に保った後は、保湿剤を使って赤ちゃんのお肌が乾燥しないようにしましょう。
　保湿のポイントは《赤ちゃんのお肌のバリア機能を守る》ことです。
　
　お風呂の後と、朝などの２回ほど保湿をしましょう。保湿剤を手にとったら、ママの手でしっかりとあたためてから、こすらずにやさしく、たっぷりとぬりましょう。

乳児湿疹で病院に行く目安

　乳児湿疹は、毎日のスキンケアで自然に治ることが多いです。しかし、「なかなか湿疹が治らない」、「何度も繰り返してしまう」、「かゆみ・赤みが出ている」、という場合は病院で受診しましょう。

さいごに

　赤ちゃんの柔らかい、きれいな肌に湿疹ができるのは、とても心配で、何とかしてあげたいと思うものですよね。今回は、乳児湿疹の予防法と対処法についてお伝えしました。
　【洗浄】と【保湿】のホームケアで、健やかなお肌を保ってあげましょう。
　当ベビーマッサージ教室Cohanaでは、ベビースキンケアのレッスンをしておりますので、お肌のお悩みがありましたらご参加くださいね。

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